ホテルや旅館の絨毯やソファを専門的にクリーニングする同社は、3つのSであるSpecialist、Service、 Safetyのアドパンテージで事業を展開。
確かな技術力を持ったスペシャリストと、米国式メンテナンスノウハウの導入によって清掃時問の短縮を実現。
また、独自に開発した画期的な洗剤3部作も話題となっている。
全旅連協定商社でもある同社が全国に向けて代理店の募集を本格的に開始し注目を集めている。
(社)ソフト化経済センター理事長 日下 公人
S5年生まれ。 S30年東京経済学部卒業。 日本長期信用銀行入行。 S58年取締役業務開発担当。 S59年ウィルソン研究所客員研究員。 (社)ソフト化経済センター専務理事。 S62年日本長期信用銀行顧問。 この間、東京大学等で非常勤講師。 現在、多摩大学教授。
代表取締役 田中 健一
S35年生まれ。 宮城県出身。東京学芸大学卒業。大手マットレンタル会社勤務後、平成8年10月独立法人設立。平成10年スリーエス・グループ全国展開。東京青年会議所、東京商工会議所、豊島法人会所属。
日下
まず最初に事業のことについてお話しください。
田中
この事業を始めまして3年になります。当時は、右も左もわからない状況でした。そこで、メンテナンス業界で何が一番必要なのかを考え、ホテルや旅館の絨毯とソファのクリーニングを中心に展開していこうと決めました。
日下
ホテルや旅館は非常にガードが堅くて閉鎖的なところですよね。
田中
メンテナンス会社を変更することはあり得ないことです。かばんひとつで地方の温泉を地を一軒一軒訪問しました。80%以上は断られましたね。その後、徐々に契約がとれるようになり、いまでは約400件ほどの契約先を抱えています。先日も契約方の依頼で、洗剤の特性や絨毯やソファのクリーニング方法についての講習を行いました。 そんな顧客に喜んでもらえるサービスも提供しています。
日下
なるほどね。日本と海外とのクリーニング技術の差はありますか。
田中
日本は遅れていると言われています。 それは絨毯やソファの歴史がまだ浅いからです。 畳と板の間の文化ですからね。畳や板の間は毎日の拭き掃除できれいにできますが、絨毯やソファの汚れは簡単にはクリーニングできません。そこで、一番絨毯やソファを使用し、しかもきれいな状態を要求されるホテルや旅館から営業を開始したわけです。
日下
難しいとされる分野から挑戦したわけですね。
田中
友人には絶対に無理だろうと言われました。 そう言われると人間は奮起するものです。 今では相手先から依頼がくるようになりました。 前年度比で40%の増加です。
日下
現在、代理店は何店ありますか。
田中
14店です。1県1代理店で全国展開していく計画です。 14店の内、半数が専業、あとの半数は副業で営業しています。 本業と同じように営業すれば必ず契約はとれます。 それだけ優れた製品とクリーニングノウハウだと自負しています。
日下
頼もしいですね。 実際にはどういう作業を行うのですか。
田中
当社は、独自に開発した3つのオリジナル洗剤のスーパースリーエス(シミ取りスプレー)、ベストスリーエス(業務用)、プラススリーエス〈酵素)を持っています。 安全で、しかも色落ちしない、環境にも優しい製品です。 この製品を使ってクリーニングを行います。施工方法は、米国ロサンジェルスにあるIICRC社のノウハウを参考にしました。 また、スタッフが現場で開発した方法もあります。この独自の方法で“早く、安く、きれいに”クリーニングすることを実現しました。
日下
その独自の方法とは、どういうものですか。
田中
あまり汚れていないようであれば、洗剤を散布してスチーム機械で吸い取っていきます。汚れている場合は、絨毯やソファにほこりが入ってるので洗剤を散布すると、そのほこりがどろのようになって浮き上がってくる可能性があります。だから、洗剤を散布する前に汚れた部分をたたいてほこりを落とします。 これが非常に効果がありますね。
日下
地方の温泉地を営業していて、何か感じたことはありますか。
田中
オーナーや支配人に大変喜んでもらえたことです。作業が終わると、お風呂に入って下さいとか、お饅頭お土産を頂くんですよ。 泊まって行って下さいと言われたこともあります。 その励ましの言葉や行為が非常に嬉しかったですね。
日下
なるほど。仕事の後に温泉は羨ましいですね。
田中
実は当社の社員は、高齢者が多いんですよ。これから募集する代理店も高齢者を希望しています。高齢者の方に現場で仕事をしてもらい、終わったら温泉に入ってもらうことを考えています。この仕事は60歳以上の方でもこなせる内容のものです。絨毯やソファのクリーニングは体力をさほど使いません。それに、汚れないので背広を着ていても作業ができます。
日下
高齢者の採用は社会的な貢献にもなりますしね。
田中
また、仕事が終わり温泉に入って帰りますよね。 家に帰ると老人会などの集まりで、そのホテルや旅館の ことが話題になることもあります。 今度はみんなでそのホテルや旅館にお客として遊びに行くわけです。 そうした実例がいくつもあります。
日下
昔は身分社会だったんですが、今の日本のようにみんなが中流になってくると、お客も働く人もいっしょになってくるんですね。仕事が終わったら今度はお客、またお客が仕事を手伝って帰るとかね。 このことを一番最初に米国人が「プロシューマー」と言いました。プロは生産するブロダクションの意味です。 コンシューマーは消費する人ですね。 生産する人と消費する人が、いっしよだということです。そういった現象が米国と日本だけ多いんですよ。
田中
なるほどね。 先日も区議会議員が来られて、一員齢者の雇用の相談を受けました。ただきれいにすればいいというのではなく、宿泊されているお客に失礼のないような常識を持っていないといけません。高齢の方は身についていらっしゃいますので、当社にとっては必要な人材なんです。
日下
できれば高齢者と若い人を混ぜるといいですね。 また、外国人労働者と同じグループにするといいと思いますよ。
田中
すでに、モンゴル地区出身の外国人が3名働いています。 西安の日本語学校で日本語を学んだということで流暢な日本語を話します。 日本語が分からないと、ホテルや旅館も心配になりますからね。 やはり、高齢者の方と海外の人を一緒にした方がいいでしょうかね。
日下
将来的にはね。自然に常識や技術を学ぶでしょうからね。 会社がいろいろ研修しなくてもいいと思いますよ。
田中
技術は教えても自分で体験し苦労しないと覚えないですね。
日下
すべてのことについて、こうしなさい、 こうゃってはいけないとマニュアルに表記などしていられません。書いていたら、何千、何万となってしまう。そこで、高齢者といっしょに仕事をしていれば自然と覚えますよ。
田中
そうですね。お全の渡し方でも、丁寧に手をそえて渡したりすることも 自然と覚えるでしょうからね。
日下
習慣や風習の違い、生活スタイルなども考えなければならないですね。
田中
小さなホテルや旅館からスタートしたのですが、 今では大手のホテルや旅館も手掛けるようになりました。また、オリジナル製品が「第3回ホテル旅館が選ぶ優良商品」 に選ばれたことが契機となって大きな仕事もくるようになりました。これが独自に開発したオリジナル製品ですが、ポケットにも入るような小さいデザインです。 容器が大きいと使いたがらないですね。それと、容器には担当者の名前をマジックで書いて下さいとお願いしています。 名前が書かれていることが行動を促し消費にも効果がありますね。
日下
それは面白い発想ですね。ところで、衣服などのシミも消せるのですか。
田中
大丈夫です。色落ちもしないですね。 ホテルや旅館の絨毯はオーダーメイドで何千万もします。 色落ちしていたら全額弁償になってしまいます。 今まで脱色による返品や苦情は一回もないですね。
日下
そうした特性があると、市場はいくらでも拡がっていく感じですね。 一般には販売しないんですか。
田中
現在はまだ販売していません。 したいとは考えていますが、今はホテ ルや旅館に1200円で卸しています。 1ケース単位で注文を受けていますので採算が合うんです。 家庭の場合、1本届けるとなると、どうしても採算が合いません。
日下
他社で同じような製品を作っていないんですか。
田中
米国製はありますが、国内で製造しているメーカーはありません。 例えば、エアコンのクリーニング洗剤のように、売れるとなると大手メーカー も製造に乗り出してくるかもしれませんね。
日下
大手メーカーが参入してくるまでに市場を制覇することですね。
田中
当社としては、業務用メーカーとしてのポジションを確立していきたいと考えています。 家庭用は将来的な事業課題ですね。 ホテルや旅館の絨毯クリーニングメンテナンスで日本一になりたいと考えています。
日下
短時間にクリーニングできるとのことですが…。
田中
通常、宿泊施設のチエックアウトは10時か11時、チェックインは2時か3時になっていますので、その時間内で作業を終了するようにしています。一台の機械に3名のスタッフを付けて行います。 清掃エリアが広い場合は機械やスタッフ数も増やして行います。今まで定休日しかできなかったんですが、短時間での作業を確立していますので、施設が稼働している平日でも作業ができます。しかも、お客さまに対して失礼のないように行います。 だから、オーナーや支配人も安心だと思いますね。
日下
ホテルや旅館側の絨毯やソファのクリーニングに関する感覚は…。
田中
オーナーや支配人、また管理責任者の認識によってさまざまですね。 絨毯は汚れたら張り替えるというところが以前は多かったですね。 でも、今は張り替える予算がないので意識も随分と変わってきているのではないかと思いますね。
日下
バブルの崩壊によって、ビジネス展開する環境がよくなってきているわけですね。
田中
宿泊施設は、一度来たお客さまが5年後に最初のイメージで迎えられるようにメンテナンスする必要があると思います。ホテルや旅館側も、美化維持をしていかなければ集客できないとの考えに変わってきているように感じますね。
日下
絨毯は素材にもよると思いますが、年間何回くらいクリーニングするんですか。
田中
平均すると、3ヵ月に1回ですね。レストランなどは油汚れがひどいから1ヵ月1回、フロントは3ヵ月に1回、客室や通路は半年に1回などの提案を行っています。
日下
料金はどうなっているんですか。
田中
汚れ具合やクリーニングの頻度、また絨毯の素材もありますから、現場の状況を見て見積もりを出すようにしています。
日下
「しまとらQ急隊」が話題ですが、どのようなシステムで運営していますか。
田中
幼児のおねしょや酔った客の嘔吐などのように急な客室ベットの汚れを5時間以内に清掃、消臭し、宿泊施設の営業に支障をきたさないように対応するシステムで運営しています。ベット1台から対応しています。登録料は5万円です。ただし、定期メンテナンスの契約をしている場合は登録料は無料です。料金はベット1台5000円、2台〜9台が1台3000円、10台以上が1台2000円です。
日下
なるほどね。緊急の場合の対応も充実していますね。
日下
いろんなホテルや旅館を担当されていますので、宿泊施設の表と裏に関して詳しいでしょうね。
田中
そうですね。それぞれいいアイデアや面白い企画で経営されていますのでメモするようにしています。特に普段、お客には分からないバックエリアですね。そういったことを他のホテルや旅館のオーナーに教えてあげることができますね。だから、多分私を業者の人だとは思われていないと思いますよ。また、当社のクリーニングサービスを利用している宿泊施設は清潔感があり安心して宿泊できる施設ですので、自信を持ってお薦めできる宿泊施設として新聞や雑誌、またインターネットでリアルタイムや情報を多くの方に案内しています。
日下
オーナーや支配人は、あなたを経営コンサルタントのように思っているかもしれませんね。
田中
ビジネスパートナーですね。全旅連の協定商社でもあり、JCHAの賛助会員にもなりました。全旅連の協定商社は一業種一社しかなれません。それだけ信用も確かなものになってきています。
日下
本部で開拓したホテルや旅館を、加盟代理店に譲ったりされていますが代理店にとっては有り難い話ですね。あとは代理店となった人が働き者であるかどうかということですね。
田中
今、FCで一番問題となっているのは、加盟店が努力しなくても本部の力だけで成功すると思っていることです。この代理店システムは成功のチャンスを与えているだけのものです。成功するための条件はそろっているし1県1代理店制をとっていますので他社が市場に入ってくることはありません。だから、本人の努力次第で充分活躍できるのではないかと思いますね。
日下
1県1代理店というのは何か基準はありますか。
田中
今までは申し込みが早いもの順でした。だから、専業と副業の人がいて売上げに差が出てきています。今後は選考していこうと思います。責任感のある方に加盟してもらいたいですね。
日下
その土地に長く住んでいる人がいいでしょうね。
田中
そうですね。絨毯やソファのクリーニングを依頼する時に、どこに依頼したらいいのか分からない現状です。そこで、当社が一番技術力があって安心できることを広めていきたいですね。少しずつではありますが、システム・シャイン・サービスの名前が広まりつつあります。これからも知名度をあげて展開していきたいと考えています。
日下
米国への輸出などは考えていますか。米国でも必要としているのではないですか。
田中
今の段階では、そこまでは考えていません。でも、将来的な課題として考えておかなければならない問題ですね。これからはグローバルに考えていかなければなりませんからね。
日下
今後の展開を期待していますよ。
田中
今日はありがとうございました。
弊社では、1県1代理店を目指して、パートナーを募集中です。
在庫を持たないで代理店活動が出来ます。
各地域に密接した活動及びサービスの提供をしていただきます。